現在,精神障がいや精神疾患の正しい知識・態度の普及啓発,そしてスティグマの解消に向けてさまざまな活動が行われています.これらの活動では,専門家による正しい知識の普及だけではなく,当事者との接触体験が効果的な方法と考えられています.仙台スピーカーズビューロー(以下SB)※では,単なる接触体験を超えて,聴講者の生活の場に出向く,ディスカッションを行う,フォーカスグループミィーテング(以下FGM)を行う,依頼内容に応じてプログラムを作成するなど,当事者からのアウトリーチ,双方向,相互理解をキーワードとしてすすめています.これまでのSB活動から,当事者による講演は,1)社会的スティグマ(social or public stigma)の是正と2)セルフスティグマ(self-stigma)の改善の2点に有効であるとわかりました.SB活動を通して明らかになった聴講者の変化,講演者の変化,変化した要因を報告するとともに,活動の課題について報告いたします.