脳卒中片麻痺者の歩行に対する主観的評価と歩容の関連性を検討することを目的とし、回復期病棟に入院した脳卒中片麻痺者22名を対象として、退院時の歩行に対する主観的評価を行い身体機能と歩容との関連を相関分析により検討した。その結果、歩行の難易度に関する主観的評価は麻痺側股関節伸展角度と歩行定常性の前後・側方・鉛直方向に有意な負の相関関係を示した。また、歩行中のバランスに関する主観的評価では麻痺の重症度が有意な正の相関関係を示し、骨盤加速度のRoot Mean Squareの前後・鉛直方向が有意な負の相関関係を示した。以上より、歩行の難易度に関する主観的評価は、歩容の安定で認識している可能性を示唆し、歩行中のバランスに関する主観的評価では体幹動揺の少ない人がふらつきを自覚している可能性を示唆していることを提示した。
荒木草太、松浦央憲、佐藤洋介、野路慶明、木山良二、髙村元章