東日本大震災および原発事故により避難を余儀なくされた高齢者の精神的健康度に関連する因子を,身体活動量および身体活動規定因子に着目して探索した.精神的健康度の高い者は,居住地の周辺環境が「身体活動の実践に適している」と評価する傾向が示された.一方,身体活動量と精神的健康度の関連は認められず,趣味活動やサロンのような社会参加などの高い身体活動量を伴わない活動が精神的健康に及ぼす影響も考慮する必要がある.避難高齢者の精神的健康度の向上には,居住地周辺で運動を実践するための具体的な方法を提示することなどが有効である可能性が示唆された.
森山信彰,西間木ます子,大類真嗣,岩佐一,
黒田佑次郎,小野道子,佐藤紀子,岡崎可奈子,髙村元章,安村誠司