最大歩行速度と至適歩行速度の差が歩行能力の予備力と仮定し、速度差分と身体活動能力との関連性を検討した。維持期脳卒中片麻痺患者25名を対象に、10m最大歩行速度と至適歩行速度、3分間の至適歩行速度を測定し、身体活動能力の指標にFIMと国際標準化身体活動質問表(IPAQ)を用いた。その結果、各歩行変数との関連性ではFIMが10m至適と、IPAQが3分至適に対する10m最大の比率(%max)とのみ有意な相関を認め、10m至適は実際に遂行されるADL能力を身体活動量は予備力的要素である%maxを反映することが示唆された。
中江秀幸、佐々木みち子、髙村元章