人の顔表情は感情や体調などの内的情報を表すため、相手の顔表情を認知することは相手を理
解し円滑な社会的コミュニケーションを築く上で重要である。昨今はCOVID-19の流行により、人々はマスクを着用する機会が増えた。マスクによって顔の下部を遮蔽した場合の顔表情を認知する際には、遮蔽していない場合と比較して脳活動に変化があることが推測される。そこで本研究では、機能的近赤外線分光法(fNIRS)を用い、若年成人を対象として、マスク着用顔と着用していない顔の表情を認知するときの脳活動について調べた。刺激画像は男女各4名のhappy顔とsad顔であった。その結果、刺激画像の性別、表情、マスクの有無によって、背外側前頭前野、腹外側前頭前野、側頭回の神経活動の有意な変化が見られた。本研究の結果より、相手の顔のマスク着用の有無によって、表情を読み取る際に脳の部位によって活動に変化があることが示された。