腰痛刺激時の脳血流反応と性格傾向－腰痛有無での検討－（査読有）

腰痛の有無による腰痛刺激時の脳血流反応と性格傾向の関連を検討することを目的とした。対象は大学
生50名（男女各25名）、腰痛の有無により2 群に分けた。腰痛刺激は身体動作場面の提示でHarmful（腰
痛に影響する）、Harmless（腰痛に影響しない）の2 条件とした。脳血流反応は、fNIRS 装置でPFC 領
域のoxyHb（mM/mm）を計測した。性格傾向は、NEO-PI-R を用い、N: 神経症傾向、E: 外向性、O: 開
放性、A: 調和性、C: 誠実性の5 因子の得点を求めた。oxyHb と性格得点についてSpearman の相関分析
を行った。腰痛有群では、Harmful, Harmless ともA 得点、C 得点と負の相関がみられ、その部位は
DLPFC, FP, OFC の領域であった。腰痛無群ではHarmless 条件でFP にN 得点と負の相関がみられた。
Harmful 条件では、腰痛があるものは、性格傾向と関連する脳血流反応がPFC の3 領域でみられた。
Harmless 条件では、腰痛の有無に関わらず性格傾向と関連する脳血流反応がFP でみられた。

感性福祉研究所年報, 23, 35-42