本研究では、聴覚障害特別支援学校を対象とした質問紙調査を実施し、センター的機能の現状と課題について検討を行った。その結果、センター的機能の取り組みにおいて中心的役割を担っている地域支援担当教員のほとんどが、乳幼児教育相談や学級担任等、校内の業務を兼務していることが明らかとなった。そのため地域支援担当教員が地域支援を展開していく上で、校内の業務との調整が困難であり、遠方の小・中学校等へ訪問するための時間を十分に確保できないという問題が示唆された。また、聴覚障害特別支援学校と地域の医療・保健・福祉との協働における課題や、小・中学校の難聴学級との連携における課題が示された。今後、聴覚障害特別支援学校のセンター的機能をさらに充実させるためには、高い専門性を持つ地域支援担当教員の増員あるいは専任での配置について検討していくことが期待される。
第36巻第1号 33-41頁
庭野賀津子・高屋隆男・茂木成友・大西孝志