東北地方の聴覚障害特別支援学校における乳幼児教育相談の現状―担当教員及び新型コロナウイルス下での取り組みに着目して―（査読有）

令和2年度（2020年度）の東北地方の聴覚障害特別支援学校における乳幼児教育相談の担当教員に関する情報と新型コロナウイルス感染症拡大状況下における乳幼児教育相談の取り組みについて、調査を実施した。その結果、各校に配置されている乳幼児教育相談担当教員の総数35人中29人（約83％）が特別支援学校教諭免許状（聴覚障害領域）または聾学校教諭免許状を所持している一方、18名（約51％）が聴覚障害教育経験年数は5年以下であることが明らかとなった。乳幼児教育相談の業務の幅広さを鑑みると経験年数の多い教員の配置が期待される。また、保育士資格を有する教員が3名（約9％）いた。保育士資格の所持は乳幼児に関する知識や対応法を身につけるために望ましいことと考えられる。新型コロナウイルス感染症拡大状況下における取り組みについては、様々な感染予防対策を講じながら努力や工夫を重ね、新しい取り組みも導入しながら、乳幼児教育相談を継続していることが示された。
第６３巻第１号、２５～３２頁
佐藤大地・庭野賀津子

ろう教育科学