乳児に対して母親が発する特徴的な発話であるマザリーズには、子どもの言語発達を促進する機能があるとされる。そのため、マザリーズを伴う母子相互作用は、乳児の言語獲得において重要な環境要因とみなされている。本稿では、これまでの発達心理学や言語心理学におけるマザリーズ研究について、主に欧米で取り組まれている研究や、著者自身が行ってきた研究を概観し、マザリーズの持つ乳児の言語発達を促進する機能について検討するとともに、言語発達障害児や聴覚障害児等の言語発達促進に対する、マザリーズの寄与の可能性について考察した。
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