障害のある子どもたちを対象とする特別支援教育において、教師は個に応じた適切な指導を行うために、子ども一人一人の心理特性を理解して教育に臨む必要がある。聴覚障害児を主な対象とする特別支援学校教諭の教職課程の科目の一つとして、東北福祉大学では「聴覚障害者の心理」を開講している。聴覚障害者の心理として、まず学ばせておきたい事項として、①聴覚障害児の性格特性、②社会性の発達、③心理アセスメントの方法、の3点があげられる。そして、それらを踏まえた上で、子どもたちの言語・コミュニケーション環境を適切に整え、情報の保障をし、高い日本語力を育てていくことが、豊かな社会性を身につけさせるための前提となるということを理解させることが重要である。
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