「地方都市における観光化に伴う『祭礼群』の再編成―盛岡市の6つの祭礼の意味付けをめぐる葛藤とその解消―」
行政や国家の祭りへの介入により、祭り推進者が盛岡市内の6つの祭り全体を複合的に再編し、商品化していることを詳細なデータから明らかにし、祭りが文化政策、文化産業に位置付けられたことにより、地元の祭り推進者は「文化財保護」と「観光化」という異なる2つの目的を要請されたこと、これをきっかけに祭りの意味付けや具体的な運営方針をめぐって意見を対立させながらも、その都度妥協案を見出して祭りを存続させたことなど、推進者による複雑でダイナミックな戦略が展開されていることを明らかにした。pp.1-31
『日本民俗学』231号、日本民俗学会