目的】血液透析患者の持つ心理社会的背景が治療コンプライアンスに与える影響について検討した。
【方法】当院の維持透析患者82名を対象とし、心理社会的背景は年齢・透析年数・抑うつ尺度・ソーシャルサポート・対人依存度で評価し、治療コンプライアンスは透析間体重増加・iP・HbA1cで評価した。
【結果】非糖尿病群(52名)は自身のセルフケアを比較的適切に自己評価できていたが、糖尿病群(30名)はその自己評価と治療コンプライアンスとの間にギャップがあり適切に評価できていなかった。非糖尿病群において、治療コンプライアンスの悪い患者は低年齢で、ソーシャルサポート度が低い者であった。糖尿病群において単相関では有意なものは無かったが、重回帰分析では抑うつ度が高いほど治療コンプライアンスが悪かった。