【目的】透析患者の心理社会的背景がセルフケアの自己評価に与える影響について検討した。
【方法】当院の維持透析患者82名を対象に、心理社会的背景は年齢・透析年数・抑うつ尺度・ソーシャルサポート・対人依存度で評価し、自己評価によるセルフケアはセルフケア尺度によって評価した。
【結果】糖尿病群と非糖尿病群の両群とも、透析年数が長くソーシャルサポート度が高い程セルフケアが良かった。対人依存度に関しては、糖尿病群では依存欲求が高い程セルフケアが良かった。逆に、非糖尿病群では対人依存を拒否する傾向を持つ者の方がセルフケアが良かった。また、両群とも抑うつの度合いが低い者はセルフケアが良かった。
【考察】糖尿病群では依存を拒否する者、非糖尿病群では過度の依存を求める者に対して、セルフケアの実行に関しより適切な指導が求められる。