精神分析や臨床心理学で使用される専門用語は全て翻訳用語である。しかしながら実際の面接の中では、日本語が使われる。クライエントは自分の心情を時には、日本語の独特の言い回しや特徴を使って表現する。日本の独特の言い回しの一つである。「恐いもの見たさ」の「恐いもの」はそのまだ折り合いの付けられていない外傷体験のいわばシンボルに他ならない。心理療法は、クライエントとセラピストとの双方にとって「恐いもの見たさ」的要素を持つ事を中心に解説した。
総p.480 恐いもの見たさ pp.188-190
北山修、妙木浩之、秋田恭子