3.11東日本大震災の復旧・復興時に生成・展開された手つくり商品の小規模な『復興グッズ・ビジネス』の概要についてはすでに別稿において検討しておいたところである1)。また、同様にこのビジネスは第一義的には働いて収入を獲得するという経済活動により成り立っていることについてもすでに検討済みである。さらにこのビジネスが経済的な目的ないし機能の他に、ある種副次的機能としてストレス解消、健康や元気あるいは生きがい回復そして介護予防や自殺予防にもなっている、などの点についてもすでに考察してきたところである。
ところで、このビジネスはもう一つ重要な機能を有しているといってよい。すなわち、このビジネスが一つの結節点となって主として女性たちが価値観集団化し、グループとしての相互扶助的なコミュニティが形成されているのではないのか、ということである。我々はこのことについても注目する必要がある。このビジネスの持つもう一つの機能としてのココミュニティ形成機能はごく限られた範囲ないし人かもしれないが被災地特に仮設団地では重要である。本稿では、このビジネスの持つ1、本来的な特性について、次に機能として(2)経済、特に経済生活的な機能、(3)健康等の機能、(4)介護・福祉的な機能および(5)コミュニティ形成機能等を、そして、6として課題等々について述べる。
5 コミュニティ形成機能 総p.16 pp.13-15
金政信、高村元章、工藤健一、宮城好郎、白石雅紀、江尻行男