【背景】1 対 1 の遠隔心臓リハビリテーション(遠隔心リハ)に関する報告と比べて、同時双方向・集団型遠隔心リハの実践報告は限られている。
【方法】2023 年 1 月~ 8 月までの維持期遠隔心リハ(Tele-MedEx Club)自転車クラスの実施状況について報告する。
【結果】参加者 11 名の平均年齢は 67 歳(49 ~ 86 歳)であった。循環器疾患の既往歴は、虚血性心疾患が半数を占め、他に不整脈、弁膜症、心不全であった。4 名は対面型教室の参加経験があった。CPX で求めた参加時の仕事率および METs は、AT 時:23 ~ 85W、2.0 ~ 6.7METs、Peak 時:52 ~ 146W、3.1 ~ 9.4METsであった。運動管理システムとオンライン会議システムを併用した遠隔管理下で、心リハ指導士と健康運動指導士の 2 名が指導を担当した。自転車運動時には、参加者自身が運動処方に基づいた負荷設定や心拍計測、自覚的運動強度を評価し、運動管理システムへの入力が円滑に行われていた。運動中の有害事象はなく、社会的交流も含めて対面型と同等の内容が提供できていた。
【考察】開始当初と比べて、機器のユーザビリティや参加者のデジタルリテラシーは向上しており、維持期心リハの新たな実施形態として確立していく可能性がある。