2017年9～12月、宮城県山元町に居住する65歳以上の自力歩行が可能な高齢者 332名高齢者を対象に、山元町地域包括支援センターの協力を得て、質問紙および身体測定を実施した。研究目的は、地域在住高齢者におけるプレフレイルの有無と生活機能低下の要因との関連について検討することとした。解析対象 259名、年齢 74.9±5.9歳、女性 222名（85.7%）、ロバスト143名（55.2%）、プレフレイル116名（44.8%）。 プレフレイルの有無と各領域（生活機能）との関連は、オッズ比で運動機能 2.43（1.04-5.23）、口腔機能 1.98（1.01-3.84）、認知機能 2.02（1.22-3.36）、うつ 6.14（3.08-12.31）で有意に高かった。この結果より、フレイル予備群であるプレフレイル段階において、身体的フレイルと結びつきの強い運動機能の低下だけではなく、口腔機能、認知機能、うつの各領域にわたる幅広い生活機能低下とも関連していることを示唆するものと考察した。結論として、プレフレイル段階の高齢者への予防的アプローチにおいて、身体機能面のみならず、うつや認知機能等の精神・心理的側面および閉じこもり等の社会的側面への十分な配慮と対応が必要。
髙村元章，曽根稔雅，河村孝幸，鈴木玲子，森山信彰，安村誠司
