「開心術後の縦隔炎により長期人工呼吸器管理を強いられた症例に対するリハビリテーションの経験」

日本心臓リハビリテーション学会

【はじめに】開心術後の縦隔炎により長期の人工呼吸器管理を強いられた一例を経験した。
【症例・経過】76 歳女性。2017 年 2 月に大動脈弁置換術、冠動脈バイパス術、心房中隔欠損症閉鎖術を受けた。術後 18 病日に縦隔炎で再開胸を受け、術後 59 病日の閉胸まで 42 日間にわたり鎮静下で人工呼吸器管理となった。術後 65 病日の離床許可時は座位保持に介助を要し、運動時の呼吸数も増加しやすかった。そこで、臥位での運動量の増加練習から開始し、段階的に座位、そして立位での運動量を増やす工夫をした。また、呼吸訓練時間を考慮して一日の活動スケジュールを病棟スタッフと共有し、日々の活動機会を増やすように連携を図った。併せて呼吸訓練に伴う疲労を考慮し、リハビリテーションの施行時間を調整しながら ADL の拡大を進めた。術後 100 病日の人工呼吸器離脱時は歩行器歩行監視レベルとなり、一般病棟転出後は歩行練習等での更なる ADL 拡大を進めることができた。術後 132 病日に紹介元の病院に転院となる。【まとめ】人工呼吸器装着下から病棟スタッフと連携して活動スケジュールを工夫し、段階的に総活動量を増やすことで、人工呼吸器離脱後の速やかな ADL 拡大に繋げることが出来た。
心臓リハビリテーション 24(suppl): 680-680, 2018.
四役晃一, 五安城亜希, 澤邉泰, 鈴木浩司, 小野寺可奈恵, 菅野遥, 沼田拓己, 千葉友香, 熊谷歩, 佐々木雄太, 佐々木真美, 羽田朱里, 河村孝幸, 吉田一徳