【目的】新型コロナウイルス感染症の流行により高齢者の外出機会や社会参加が減少し、心身の機能低下が懸念されている。今回維持期心臓リハビリテーションを目的とした運動教室参加者を対象として、新型コロナウイルス感染症流行前後の健康管理の変化を把握する目的で郵送による調査を行った。
【方法】60~80 代の運動教室参加者 17 名(男性 11 名、女性 6 名)を対象に、新型コロナウイルス感染症感染拡大前後の健康状態や食事、運動など健康管理に関する質問紙調査を実施した。
【結果】健康に関する自己管理では、ほとんどの項目において大きな変化は見られなかった。日常生活における中等度以上の活動については対象者の約半数が困難を感じており、心の健康に関しては約半数が日々の生活における充実感や楽しみが感じられないと回答した。
【考察】今回の調査では家庭における健康管理行動は継続されていたものの、およそ半数の対象者が身体機能の低下を自覚し、うつ傾向の可能性があるなどの課題が浮き彫りとなった。今後、維持期心臓リハビリテーション教室の役割として、フレイル対策や、社会的な関係維持のための介入を検討する必要があると考えられた。
及川 珠美、河村 孝幸、上月 正博