普段から運動習慣がある中高年者を対象とし、腹腔内圧を高めるトレーニングで呼吸筋や腹部周囲の筋へ刺激を与えることによって、腸内細菌叢が変化するかどうかを調べた。運動教室に定期的に通う男女計18名を対象に、腹圧トレーニングを6週間実施し、トレーニング前後の糞便を採取した。腸内細菌叢はT-RFLP法を用い腸内細菌の分類解析を実施し、細菌カウンターを用いて、口腔内細菌数の変化を調べた。また、ブリストルスケールによる便形状の変化と便通に関する質問紙調査を実施した。腹圧トレーニング前の腸内細菌群において、各々の対象者による異なりがみられた。腸内細菌のClostridium subclusterとBMIの間に相関関係が認められた。ブリストルスケールを用いた便形状の変化は、腹圧トレーニングによって、便通異常の対象者においては改善される傾向が認められた。
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松生香里、河村孝幸