NPO法人ジャパンハートクラブ(JHC)は、2004年に循環器疾患の一次予防と二次予防活動を行うため設立された。JHCが運営するメディックスクラブは、全国21支部、27会場(平成28年度)で、運動療法を柱とした様々な形態の開設・運営がされている。参加者の多くは回復期の心臓リハビリテーション(心リハ)を終えた維持期心リハ目的の方々や生活習慣病のため医師から運動を勧められた方々であり、定期的な診療を受けつつ、地域の健康増進活動としてのメディックスクラブに参加している。2005年に設立されたメディックスクラブ仙台支部は、東北大学医学部を会場に、心リハ指導士の認定を受けている健康運動指導士、理学療法士、看護師らが担当している。現在15名の会員(男性8名、女性7名)が在籍しており、虚血性心疾患の他、呼吸器疾患、慢性腎臓病、末梢動脈疾患などを併存している方も複数含まれる。宮城県においては回復期心リハの実施率は低く、回復期心リハを受けた患者に比べ、未実施の患者ではBMIが退院時に比べ増加しており、半数で運動習慣が定着していないことが報告されている。急性期の患者教育が不十分なまま退院する患者や回復期心リハを受けない患者が依然として多い我が国の現状において、心リハの長期予後効果の恩恵を受けるには、維持期での関わりが極めて重要であると考える。設立から今日までの取り組みの経過を紹介しながら、地域での維持期心リハの現状と課題について考えたい。
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河村孝幸、上月正博、及川珠美、納屋幸