介護施設の高齢者入居者における死亡または入院と摂食・嚥下機能の観察可能な変数との関連性:多施設前向きコホート研究
1年間の多施設前向きコホート研究によって、日本の介護保険施設の高齢者の観察可能な摂食・嚥下機能因子と転帰(死亡/入院または生存)との関連を明らかにすることを目的とした。
高齢者の観察可能な摂食・嚥下機能因子としては、言語、流涎、口臭、唾液分泌過多、舌運動、口腔周囲の筋機能、咳、嚥下後の呼吸、すすぎ、口内残留物などで、まず、それらのベースライン評価を実施した。 スコア 0 は陽性とし、スコア 1 または 2 は陰性とみなす。 また、患者の年齢、性別、BMI、バーセル指数、および認知機能評価を記録した。 その後、死亡/入院率、1年以上の生存率を記録し、それぞれの転帰(死亡/入院グループまたは生存グループ)およびベースライン特性に応じて患者がグループに割り当てた。
32施設の入所者計986人が対象となり、死亡・入院群は216人、生存群は770人となった。 そして、言語、唾液分泌、口臭、口周囲の筋肉、咳、嚥下後の呼吸、すすぎ、口内残留物は、転帰と有意に関連していた(p < 0.05)。
介護者がこれらの簡単な評価を日常的に行うことで、高齢者の死亡、肺炎、誤嚥、栄養失調を防ぐための早期発見と治療が可能になる可能性がある。