目的: 義歯の使用が介護施設居住者の食事形態の維持と改善に寄与するかどうかを判断することである。
方法: 日本国内の 37の介護施設に入居している 888 人について、栄養摂取状況、食品形態、年齢、性別、バーセル指数 (BI)、臨床的認知症評価 (CDR)、現在歯数、咬合支持歯数、嚥下機能、義歯の使用を調査した。これらのすべての入所者のうち、栄養状態が良好で咬合支持歯数が 9 以下の入所者を分析した。標準化された基準により、被験者が摂取した食品の形態を「嚥下障害」と「通常」の食事の 2 つのグループに分け、さらに 4 つのレベルに分類した。分析は、食物形態の 4 つのレベルを従属変数とし、年齢、性別、BI、CDR、嚥下障害の有無、現在歯数、および義歯の使用を独立変数とする一般化された推定式を使用して分析した。
結果: 最終的な分析の対象は 622 人 (70.0%) となった。このうち、380人(61.1%)が義歯を使用していた。分析により、食品の形態は、年齢 (調整オッズ比 [OR]、0.98)、BI (OR、1.04)、存在する歯の数 (OR、1.03)、嚥下障害の存在 (OR、0.44)、および義歯の使用 (OR, 2.82)と有意に関連していることが明らかになった。
結論: 義歯の使用は、日本人の介護施設居住者の食品形態と関連していた。これは、日常生活動作が少なく、認知機能が低下し、介護が必要な高齢者においても、義歯の使用が食事形態の維持に関係していることを示す。