目的:この研究は、歯科医師と歯科衛生士の訪問による定期的な口腔衛生管理(通常の歯科管理:RDM)と、介護施設での高齢者の体重減少との関連を明らかにすることを目的とした。
方法:全国26の介護施設に居住する合計468人の高齢者が、2018年と2019年の2つの調査に参加した。参加者は、ベースライン調査の食事状況に基づいて、2つのグループに分けられた。(通常の食事摂取群n = 256、嚥下困難群n = 212)。通常の食事をとっている群は、1年間で5%以上の体重減少を示した参加者(体重減少グループ:n = 77)と5%未満の体重減少を示した参加者(一貫した体重グループ:n = 179)にさらに分けられた。説明変数は、年齢、性別、ベースライン体重、バーセル指数、臨床的認知症の評価、および肺炎、脳卒中、糖尿病、うつ病(体重に関連していると報告されている)の病歴とした。さらに、ポアソン回帰を実行して、説明変数、すなわちRDMの実施率と機能歯数を分析した。
結果:多変量分析により、高齢者のRDMの欠如、臨床的認知症の評価、および肺炎の病歴(有病率比:0.35、95%信頼区間0.24〜0.95)はすべて、通常の食事での体重減少と有意に関連していることが明らかとなった。
結論:体重減少とRDMは互いに関連していた。定期的な食事をとっている高齢者の介護にRDMを組み込むことで、体重減少を抑えることができる。