「支援を必要とする児童及び家庭への対応－宮城県大崎市におけるスクールソーシャルワーカーの専門性に関するインタビュー調査をもとに－」

本稿は2014（平成26）年12月～2015（平成27）年1月に宮城県大崎市立小学校13校、中学校５校の教員１８人を対象としたインタビュー調査をまとめたものである。設定した7つの質問に対する回答を記録しカテゴリー化し検討した。
支援が必要とされる児童の状況は不登校の児童、障害のある児童（発達障害）、非行の児童など多様なものであると同時に、支援が必要とされる家庭の状況についても、ひとり親家庭、虐待や虐待のおそれ、貧困、離婚、家庭不和、保護者の健康上の問題など多様かつ重層的な問題を抱える家庭の状況が明らかになった。
スクールソーシャルワーカーには、学校では立ち入りにくい家庭状況の把握や第三者の立場で児童や保護者に様々な働きかけを行う役割を期待していることが明らかになった。
スクールソーシャルワーカーをどのように活用したらよいか、よく分からないため、活用していない、また、スクールカウンセラーなど他の相談支援を活用しながらその違いが明確ではないため、スクールソーシャルワークへの理解が深まっていない実情が明らかになった。
総p.146、pp.35-48
君島昌志　君島智子

東北福祉大学研究紀要第40巻