高等教育機関における専門職育成にとって、専門職の業務と直接関係のある、あるいは専門職に就くための資格取得と関係のある科目を学ぶ意義を学生に提示することは、比較的容易であると考えられる。しかし、教養科目や初年時教育にかかわる科目など、資格取得等と直接関わらない科目の意義を伝えることも必要である。
本研究では、社会福祉士国家試験に関する指定専門科目と、学部や学科で設定している、指定科目以外の科目の、関連について、具体的で理解しやすい形で示す方法を探るため、「(1)一般的文章」と「(2)シラバスの文章」と、「(3)社会福祉士国家試験に関する指定専門科目のシラバスの文章」に使用されている単語の出現度数を、Fisherの正確確率検定を用いて検定し、(1)に対して(2)に有意に出現率の高い単語、(2)に対して(3)に有意に出現率の高い単語を特定した。
そして、特定した単語の出現度数の高い科目がどの科目であるか、またそれはどのような文脈で使用されているかを分析することにより、社会福祉士の指定専門科目と、その他の科目のシラバスに共通して有意に出現率の高い単語を介して、社会福祉士育成Ⅱかかわる科目と、制度上はそれに含まれない科目の関係性について分析を行った。