本研究では,車椅子適合支援前後の生活状況6要素のデータ分析をおこない,利用者情報に基づく改善予測の可能性を明らかにすることを目的とした.本研究で用いた生活状況6要素は,車椅子適合支援後に全てにおいて有意な改善がみられた.6要素ごとに,それぞれの改善に影響を与える変数についてロジスティック回帰分析をおこなった.その結果,ロジスティックス回帰式を用いることにより,6要素についての改善予測がおこなえることが示唆された.また,6要素の次元削減による情報整理とデータの可視化をおこなうと共に,階層クラスター分析を用い4つのクラスターに分類しその特徴を明らかにすることができた.本研究で示された介入後の効果や利用者情報に基づく改善予測の結果は,今後の車椅子適合支援の普及に寄与することが期待される.