「探し物発見器を用いた認知症者の生活支援に関する研究　第二報　－タグの改良と適合事例の検討について－」（査読有）

本研究では、認知症高齢者を対象に認知症者の生活における課題の整理を行い、人・物・環境の関係性を考察する中で、探し物発見器を用いた生活支援手法を提案することを目的とする。前回は、グループホームスタッフを対象に、認知症介護における課題の整理を行うと共に、比較的ADLが自立している利用者を対象に、臨床評価を実施した。その結果、認知症介護で生じる問題の多くは、日中の生活空間であるリビングで起きていた。また、認知症高齢者が、生活上で頻繁に無くす物は、入れ歯やメガネの様な比較的小さな物であり、現状のタグの改良の必要性が示された。そこで今回は、タグの改良を試みると共に、新たに2名を対象に臨床評価を実施した。その結果、現状のタグは、半分程度の大きさまで小型化できることが明らかとなった。また、臨床評価の結果、本機器の適合事例は、CDR-1以下の軽度の認知症高齢者であることが示唆された。
pp.115-119
関川伸哉、石渡利奈

POアカデミージャーナルVol.21,No.2