その他

基本情報

氏名 関川 伸哉
氏名(カナ) セキカワ シンヤ
氏名(英語) Sekikawa Shinya
所属 総合マネジメント学部 情報福祉マネジメント学科
職名 教授
researchmap研究者コード
researchmap機関

タイトル・テーマ

脳卒中片麻痺者に対するエネルギー蓄積型シューインサートの開発と評価

単著・共著の別

その他(発表学会等)

発行又は発表の年月

202111

発表学会等の名称

第42回バイオメカニズム学会学術大会

概要

脳卒中片麻痺を呈すると多くのケースでロッカー機能を消失1)する.ロッカー機能を補う代表的な装具としては底屈制動+背屈遊動機能を有したGait‐solution-AFO(パシフィックサプライ社製)やRAPS-AFO(東名ブレース社製)などがあり,ヒールロッカーとアンクルロッカーを補うものである.またMP関節より遠位を背屈位に加工するトゥスプリング2)やMP関節より遠位をトリミングカットするような装具への工夫は遊脚相への移行を円滑にするための方策であり,トゥロッカーに働きかけるものである.しかしながら,フォアフットロッカー(FFR:Forefoot locker)を支援する装具は国内外通じて存在しない.FFRはターミナルスタンス(以下TSt)相に該当し,患側の踵が挙上してから非麻痺側が接地するまでの期間であるが,多くの片麻痺者ではTSt相が消失する.カーボン支柱装具がTSt相を支援すると思われがちであるが,地面に足を接地している状態では,閉鎖性運動連鎖が生じるため,下腿部前傾によるカーボンの撓みの反発は,下腿後傾に寄与するだけで踵挙上を達成することはできない.
我々は脳卒中片麻痺者にTSt相を作るには,足関節にアプローチするのではなく,足部MP関節に対して支援する必要があると考えた.そこで足部MP関節部にエネルギー蓄積機構を有し,脳卒中片麻痺者に対して単脚支持期での踵挙上を支援するターミナルスタンスアシスト装具(以下:HUS-AFO:Heel Upper Spring AFO)の開発と評価を行ってきた.過年度までの我々の報告3)では実際の脳卒中片麻痺者2名に装着し,TSt相の出現を確認してきた.HUS-AFOは3つのロッカー機能を構築することが可能であったが,4節リンクの構造が複雑であり,耐久性に乏しく実験中に何度か破損を経験するとともに,製作工程も複雑でかつ,HUSデバイスと装具が一体化しており,対象者所有の装具が活用できないなど汎用性に乏しく,片麻痺者への受け入れも不良であった.これらの問題を解決するためには,もともと保持している装具[A1] とは独立し,装着が容易でかつ耐久性に優れた装具の受け入れを良好にする靴の中敷きタイプ(インソール型)の装具の開発にいたった. 本研究ではどのような形状や構造のインソール型装具がFFRを構築[A2] し,脳卒中片麻痺者に対して有効な方策であるのか検証することを目的とした.