本論では,過去の研究結果をもとに以下の条件を満たすケースに発見器の導入を行い,長期間の使用結果をもとに発見器を用いた認知症者の自立支援の有効性の検証を試みた.
① 探し物は,普段の生活で本人が基本的に管理・保管している物で,現状のタグ形状で問題のない大きさの物
② 被験者は,日常生活において探し物で困っているCDR-1以下の(発見器の効果を理解できる)在宅認知症高齢者
③ 導入期間は,6ヵ月とし定期介入により発見器の使用状況,発見器の利点・欠点等を長期間にわたり評価可能なケース
そこで本稿では,①~③の条件を満たす3名の在宅認知症高齢者への発見器導入の臨床事例について報告する.
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