装具の歴史は,度重なる戦争を機に開発・発展してきた義肢の歴史と比較し,軟性コルセットやSHB(靴べら式短下肢装具)を代表するような比較的単純な構造・機能のまま大きな変化がみられなかった.その理由には,構造的にも工学的要素を取り入れ易い義肢とは異なり,外観やがさばりといった装着範囲の問題や,整形外科的保存療法の一環として捉えられてきたこと等が考えられる.しかし,近年のリハビリテーション医学の進歩やバイオメカニクスの応用(単なる工学技術とは異なる)により,装具開発に大きな変化が現われてきた.今回は,「装具機能,歩行,最新,義肢装具士の関わり」を基調語として本題を整理したい.
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