我々は、介護老人福祉施設(以下、施設)で施設職員と共に個々の利用者に対して身体寸法・機能に適した車椅子を提供する車椅子適合支援(以下、適合支援)を行ってきた。適合支援を通した適切な車椅子の提供は、利用者の心身機能・活動・参加の改善、更には介護負担の軽減に繋がることが調査・研究からも明らかとなった1)。一方、適合支援の過程では、個々の利用者の身体寸法計測を行い身体サイズに適した車椅子の提供が必要となる。しかし、多くの施設職員は、計測に必要な解剖学的ランドマークの把握が難しく、施設内での適合支援の実施には課題が残されている。そこで本研究でで、人工知能に着目し深層学習を用いて写真撮影のみから適合支援に必要な解剖学ランドマークの検出を試みた。今回は、上記研究で検出された5つの解剖学的ランドマークが、臨床上使用可能な精度であるかの妥当性を検討することを目的とした。