本研究で合成した窒素原子を含む化合物の接触水素化反応において、窒素原子と不飽和結合との間に、through-space相互作用が考えられた。そこでそれらの分子構造より、相互作用があると考えられる部位の間の距離を算出し、種々の化合物における水素化反応速度との関係をもとに考察した。その結果、含ヘテロ化合物の接触水素化反応において、“錨効果”以外にも、分子内の立体特異的相互作用が存在する可能性が高いことと、窒素原子が不飽和結合の反応性を高めていることが確認された。
pp.799-803
専田泰久、岡村和恵、桑原真弓、伊藤廣紀、石山淳一