本研究は、看護学生が始めての病棟実習にでたときに遭遇する患者との関係を、対人距離の指標を用いて分析し、教育プログラムの改善に役立つ知見を得ることを目的とした。その結果、次のことが示唆された。(1)患者-学生間距離は3日間の実習経験で実際と理想の距離がほぼ一致した。(2)不安水準の高い学生またはYG性格検査においてE型の学生は、患者-学生間距離が比較的遠い傾向にあった。(3)学生の家族背景として、祖父母との同居の経験のある学生はない学生に比較し、患者-学生間距離が短かった。
pp.31-39
杉山敏子、岩見谷生恵、田多英興