作業療法士養成課程における臨床教育で学生たちは,対象者のひとりひとりが尊重されるリアリティのある臨床現場で,より多くの対象者に関わる体験から職業人としての適切な態度や習慣という社会的スキルと,専門的知識や技術といった臨床的スキルとを統合し形成するという経験をする1).本専攻でも,臨床教育を重視し23単位の臨床実習を導入してきたが,学科新設から4年目の完成年度を契機にカリキュラム全般と臨床教育について検討を行い,新カリキュラム(新カリ)型の臨床教育として,指導者が臨床の場面を通して学生を指導することができ,学生はその中で段階的に学習できるような実習に変更した.まず,初めて長期に実施する評価実習Ⅰ(2年次後期)では,①見学・模倣・実施からなるクリニカル・クラークシップ(CCS)を導入し,②作業療法実践に必要な多くの情報提供を受けながら,③学生たちが臨床経験の中で学ぶことを重視した.今回導入したCCS型評価実習Ⅰについて,実習後に学生に行った調査の結果をもとにその教育的意義を検討した.
紀國谷恵子 佐藤 善久 渥美惠美 稲垣成昭 曽根稔雅 藤田貴昭