ヒポカルシンは海馬や大脳皮質のニューロンに多く発現するカルシウムセンサータンパクの一つであるが、その機能についてはよく調べられていない。本研究では、ヒポカルシン遺伝子を欠損させたミュータントマウスの特性について、細胞レベルから行動レベルに至る網羅的な比較を行った。その結果、ヒポカルシンは、場所記憶や連合学習の成立、またその基礎過程と考えられるシナプス伝達の長期増強に必要なカルシウムシグナリングに重要な役割を果たしていることが分かった。
pp.471-484
Kobayashi M, Masaki T, Hori K, Masuo Y, Miyamoto M, Tsubokawa H, Noguchi H, Nomura M, Takamatsu K