ホールセルクランプにより海馬CA1野ニューロンから興奮性シナプス電流ダイナミクスを記録した。興奮性シナプスにおける伝達物質の放出を促進する物質と、シナプス伝達によって駆動される細胞内シグナル伝達系を阻害する物質を投与して、記録を行った。その結果、興奮性伝達の増強がシナプス前部と後部の相互作用によることが示された。これは学習・記憶機能を担うシナプス伝達効率の制御機構に関する重要な知見である。
pp.643-651
H. TSUBOKAWA, H. P. C. ROBINSON, T. TAKENAWA and N. KAWAI