覚醒マカクザルにパブロフ型条件付けを行い、その学習過程における線条体持続発火型ニューロン(TAN)の活動変化と筋運動の様式を解析した。TAN応答は、報酬の有無や運動の有無とは関係がなく、条件刺激の有無に依存した。新しい条件付けを行うと、8日程で新規のTAN応答が確立し、以前の条件刺激に対する応答は消失した。これに伴って運動の再パターン化が見られた。以上の結果から、TANの活動は、予測・期待に基づいて動作をスムーズに行うための、運動のパターン化に重要な役割を果たすと推測された。
pp.3969-3984
Toshihiro Aosaki, Hiroshi Tsubokawa, Akihiko Ishida, Katsushige Watanabe, Ann M. Graybiel, and Minoru Kimura