樹状突起へのパッチクランプによる膜電位ゆらぎの計測と高速イメージングによるCa2+濃度分布の時空間ダイナミクスの解析とを同時に行い、活動電位の海馬ニューロン樹状突起への伝播について調べた。その結果、遠位樹状突起への伝播とそれに伴う樹状突起内のCa2+濃度増加は、近位への抑制性シナプス入力(IPSP) により抑制されることがわかった。IPSPと活動電位抑制との時間関係の解析から、GABAA受容体の活性化によるCl-コンダクタンスの一過性の増大が膜のシャンティングをひき起こしたためと考えられた。
pp.2896-2906
HIROSHI TSUBOKAWA AND WILLIAM N. ROSS