海馬スライス標本を用いて、パッチクランプによる膜電位ゆらぎの計測と高速イメージングによるCa2+濃度分布の時空間ダイナミクスの解析とを同時に行い、活動電位の樹状突起への伝播を調節しているメカニズムを探索した。海馬ニューロンでは、アセチルコリン受容体の活性化によって伝播が促進され、樹状突起での細胞内Ca2+濃度増加も大きくなることがわかった。Gタンパクを介する細胞内シグナル伝達系が樹状突起の興奮性制御に深く関与していることが示唆された。
pp.5782-5791
Hiroshi Tsubokawa and William N. Ross