自然界に存在する生物毒素の中には、哺乳動物において神経毒として作用するものがある。本研究では、カリウドバチの一種の持つ毒液から有効成分を抽出して構造を調べ、これを基に合成した薬物「ポンピリドトキシン(PMTX)」の中枢神経系における薬理作用をパッチクランプによる膜電位ゆらぎの解析を通して調べた。その結果、PMTXにはある特定の電位依存性ナトリウムチャネルを活性化する(不活化を遅らせる)働きがあることがわかった。
pp.1961-1970
Yoshinori Sahara, Masamichi Gotoh, Katsuhiro Konno, Akiko Miwa, Hiroshi Tsubokawa, Hugh P. C. Robinson and Nobufumi Kawai