中枢ニューロンにおいて、内在性カナビノイドは、シナプスの後部から前部へと逆行性に情報を伝え、シナプス伝達を抑制する伝達物質であると考えられている。この逆行性情報伝達は、シナプス後部の脱分極による細胞内Ca2+増加、あるいは代謝型グルタミン酸受容体の活性化によって引き起こされる。本研究では、両者が共通の細胞内シグナル伝達経路を介し、カナビノイドの産生・放出に関して協調して働いていることを、ホールセル記録による膜電流、及び高速イメージングによるCa2+分布の時空間ダイナミクスの解析により明らかにした。
pp.953-961
Takako Ohno-Shosaku, Jumpei Shosaku, Hiroshi Tsubokawa and Masanobu Kano