脳組織は、過剰な神経活動に伴って腫脹することが知られており、癲癇発作の脳内伝播などに寄与すると考えられている。我々は、海馬スライス標本を用いて、ニューロン活動を解析すると同時に近赤外光イメージングによる脳組織の形態変化のダイナミクスを追跡した。シナプス入力により誘発されるCA1野ニューロンの容積増加のメカニズムを調べた結果、グルタミン酸受容体の活性化に伴う陽イオンの流入とGABA-A受容体の活性化に伴うCl-の流入の両者が寄与していることが分かった。
pp.315-324
Sachiko Takagi, Kunihiko Obata, Hiroshi Tsubokawa