内在性カナビノイドによるシナプス伝達の抑制作用は、シナプス後部ニューロンに発現しているムスカリン性アセチルコリン受容体の活性化により増強する。この現象に関与するムスカリン性受容体のサブタイプを調べるため、各サブタイプを遺伝的に欠損させたミュータントマウスを作成し、ムスカリン受容体アゴニストの投与効果を、ホールセルクランプを用いてシナプス電流ゆらぎを記録することにより検討した。その結果、3量体GタンパクのGαq及びGα11による細胞内シグナル伝達へと繋がるM1型とM3型受容体の両者が特定された。
pp.109-116
Takako Ohno-Shosaku, Minoru Matsui, Yuko Fukudome, Jumpei Shosaku, Hiroshi Tsubokawa, Makoto M. Taketo, Toshiya Manabe and Masanobu Kano