ニューロンにおけるシナプス伝達には、イオンチャネル型グルタミン酸受容体を介する興奮性入力に代表されるようなミリ秒単位の早い電位変化を引き起こすものの他に、数百ミリ秒から秒単位のゆっくりした変化を引き起こすものがある。本書では、後者の例について様々な標本を用いた研究を紹介し、遅いシナプス伝達の生理学的意義について論じている。担当分では、海馬ニューロンへのムスカリン性受容体を介する遅いシナプス伝達が、樹状突起の興奮性を調節しているという仮説を紹介した。
総p.455 pp.416-419
Kuba, K., Higashida, H., Brown, D. A., Yoshioka, T., Tsubokawa, H.