企業の現場で機能的であり、しかし一方で課題を抱えている労働福祉システム(社会保障、企業福祉、労働者福祉、NPO活動など)や新たに福祉的役割を担うようになった組織の動向に着目し、それらが企業内外でどのような働きをし、産業社会や福祉社会でいかなる役割を果たしているのかを具体的に検証してきた。したがって、これまでの主たる論文はこれら企業活動と労働福祉システムの研究を土台に多岐にわたっているが、基本は企業経営の課題と従業員生活の課題を二つながらに解決していこうとする職域での取り組みに焦点を絞るべきであるという重要性を見出した。