雇用の流動性の高まりとともに、内部労働市場の内側から形成されてきた「中間的労働市場の誕生」を改めて確認し、それがさらに顕著となり、今日すでに「外部」に向けた大量の雇用流動化が見られることに着目した。その過程において企業グループ福祉は、ある一定の効果をもたらしたのではないか。それらは、いかなるシステムによって実現していたのか。インタビュー調査と現場資料の分析を通じて、これらを明らかにする。一方、その構造から生じてきたライフプランの在り方が、「意味形成支援」として「企業の中のNPO的なるもの」の組織特殊性を帯びる意味を検討した。
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