働く者を対象とした社会保障、企業福祉、労働者福祉などの「職域福祉」は、各企業の従業員規模や立地条件、業種や労務構成などによってそのあり方が異なってくる。そして社会経済環境の変化とともに企業経営の変革や職場環境の変容、雇用形態や従業員ニーズの多様化、また労使関係や労働組合のあり方などによってその姿を変えてきている。1970年代後半以降、わが国において進展するサービス化社会(経済のサービス化が進む社会)での職域福祉の展開、とくに大手企業の企業内福祉共済制度の動向に着目し、これらの展開過程を概観しながら職域福祉の変化と課題、そしてその展望について論じた。
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