企業福祉は、企業内の様々な資源を用いて展開されている。ヒト、モノ、カネ、技術・情報など、経営資源を活用し、従業員の職場生活や家庭生活をサポートしている。しかし、そこには自ずと限界がある。従来の再構築には、スクラップ&ビルドの原則をもとに「新たな制度」を引き換えに立ち上げ、既得権を守るとしてきた。ただハコモノについては「所有から利用へ」という考え方の変化もあるように、外部サービスの活用など、必ずしも内部資源を組み替えていくという発想ではなく、また現金給付に切り替えていく在り方も含めて考えるなど「再構築の在り方」そのものを見直す取り組みも必要である点を指摘した(企業福祉の再構築を考える(8))。
pp.64-67