バブル経済崩壊の影響を受けて企業福祉には様々な変化が生じてきた。その合理化は「ハコモノ」と呼ばれる施設関係の廃止・縮小にまず取り組むものとなったが、単に企業福祉を削減しようとする動きではなく、コストを最小限に押さえながらその効果を最大化するためにはどうすればよいのか、という問いかけの中で緊急的に進められてきたことだと言ってよい。しかし、労働条件化しているとも言える企業福祉を見直していくには、そもそも再構築の「コア」として「企業福祉ビジョン」を労使によって策定し、再構築していく手順を明らかにし、それを踏まえていく必要がある。本稿では、「企業福祉ビジョン」の策定に関わる原則を論じた。
企業福祉の再構築(7)
pp.59-63